〒292-0805 千葉県木更津市大和2丁目12-8
木更津駅太田山口(東口)から徒歩5分
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パーキンソン病は腸の病
東京両国杉山顕彰会にて講演しました。
金井正博
1.パーキンソン病(PD)とはどんな病気
運動に影響を与える脳の病気です。
パーキンソン病は、10万人あたり120人から130人が罹る病気で、今から100年ほど前にこの病気を初めて報告したイギリスのジェームス・パーキンソン医師にちなんでその名がつけられました。通常は60歳から80歳の間に症状が出ることが多いのですが、中には40代で症状がでる場合もあります。
主な症状は、歩行障害や筋肉障害で運動症状と呼ばれます。脳の中脳の黒質にあるドパミン神経細胞が減少し、そこでつくられるドパミンの量が少なくなることにより起こります。
l-dopa製剤を服用することでADLが保てます。その為にも診断が重要です。
2.パーキンソン病(PD)の症状
症状がすべて出現するわけではなく、症状の強さも人それぞれです。
症状の中には運動の不調をきたす前から認められる症状(うつ、便秘、嗅覚障害、レム睡眠行動異常症)もある。
運動器症状: 動きが遅い
l 体の動きが悪くなる「無動」、何もしないでいる
l 安静・静止時に手がふるえる「振戦」、
l 体がこわばる「筋強剛」など
l 姿勢が不安定「姿勢反射障害」
非運動器症状: 便秘や嗅覚異常が20年前から始まる
l 便秘、排尿障害(頻尿)、起立性低血圧などの自律神経障害
l 不眠、むずむず脚症候群、REM睡眠行動障害の睡眠障害
l 抑うつ、不安、無関心、(幻覚、妄想)などの精神症状
l 嗅覚障害などの感覚障害
l 認知機能障害
l 痛み、倦怠感
l
3パーキンソン病の診断
パーキンソン病かどうかの診断を受けるには、脳神経内科医の受診をお勧めします。診察では、パーキンソン病の症状があるかどうかを調べます。
L-ドパ製剤やドパミンアゴニストなどのパーキンソン病に対する薬を用いることで症状の改善がみられるかどうか。下記テスト
l 嗅覚検査
l MIBG心筋シンチグラフィー検査(心臓の交感神経の障害や分布を評価する)
l DAT スキャン(イオフルパンが線条体でドパミン神経細胞にどの程度集積するか画像化)
l 頭部CT検査、頭部MRI検査(特徴的な異常がみられないが鑑別診断のため有用))
4.鑑別診断
パーキンソン病の鑑別診断は、他の疾患と区別するために重要です。以下は、パーキンソン病と類似した症状を持つ主な鑑別疾患です:
多系統萎縮症(MSA): 自律神経障害や小脳失調を伴うことが多く、MRIで小脳や脳幹の萎縮が見られます。
進行性核上性麻痺(PSP): 眼球運動障害や姿勢の不安定さが特徴で、MRIで中脳の萎縮が確認されることがあります。
大脳皮質基底核変性症(CBD): 片側の筋肉の硬直や動作の遅れが特徴で、MRIで大脳皮質や基底核の萎縮が見られます。
血管性パーキンソニズム: 脳血管障害によるもので、MRIで脳の血管病変が確認されます。
薬剤性パーキンソニズム: 抗精神病薬や制吐薬などの薬剤が原因で、薬剤の中止により症状が改善することがあります。
5.治療法
薬物療法: ドーパミン補充療法が中心で、L-ドーパやドーパミンアゴニストなどが使用されます2。これにより、脳内のドーパミンレベルを補い、症状を緩和します。
デバイス補助療法: 深部脳刺激療法(DBS)や持続皮下投与療法などのデバイスを使用する方法です。これらの治療法は、薬物療法が効果を発揮しにくくなった場合に検討されます。
外科的治療: 薬物療法やデバイス補助療法が効果を発揮しない場合、外科的手術が検討されることがあります。
リハビリテーション: 運動療法や理学療法を通じて、筋力や柔軟性を維持し、日常生活の質を向上させます。
当院を実際に利用されたお客さまの事例をご紹介します。
第64回全日本鍼灸学会に発表した抄録より(2015年6月)
パーキンソン病患者の鍼灸治療直後の運動機能評価
◯金井正博
鍼灸木更津杏林堂
【目的】背景:パーキンソン病(PD)は神経難病の中では有病率が高い。臨床的には安静時振戦,固縮,動作緩慢によって評価される進行性疾患であり、姿勢の不安定性と歩行障害が発生し転倒傾向は増大する。これらの身体状況はQOLを悪化させる。PD患者に対する鍼灸治療は、運動症状をはじめとして自律神経症状、精神症状および随伴症状を対象に行われている。今回、運動機能評価を目的に鍼灸治療を行い、治療前後の歩行状態を評価し検討したので報告する。
【方法】:この一年間に来院したPD患者で薬物治療に鍼灸治療を併せて行っている者18例(男性9例,女性9例)。平均年齢64歳±18歳を対象とした。直前二ヶ月にめまいや失神を伴う転倒を経験している者、車椅子使用者は除外した。被検者には本研究の目的及び測定内容を説明し本研究の同意を得た。方法は歩行テストを治療前後に3m timed up & go(TUG)3回、2min Walking1回行い、平均値を出し、併せてVAS評価を行った。
鍼灸治療は週一回を原則とし、診断は経絡治療にて証をたて経穴を決定。基本穴に加え、天地,風池,大椎,外関に浅刺。使用鍼は0.12x30mmステンレス鍼。足三里施灸5壮。
【結果】治療前後の測定結果は、TUG:良好17例,不変1例。平均14.18→12.30s。2minWalking:良好14例,不変1例,悪化2例,平均54.67→ 59.44m。VAS評価:良好16例,不変2例,悪化1例,平均5.78→3.61。
【考察】治療直後の歩行結果は16例に効果が認められた。TUGは、歩行だけでなく複合的な運動機能を評価できる。2min Walking は、歩行能力のテストで主に運動器の状況に左右される。これらのことより、姿勢容姿(歩幅,腕の振り,胸の張り)が改善され運動機能維持の向上がみられたのではないか。今後、長期に渡った状態を検討する必要がある。
【結語】伝統的鍼灸治療により、PD患者の治療直後の運動機能維持と転倒予防に改善効果がみられた。
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パーキンソン病患者に鍼灸と共に卓球とムクナ豆は有効か?
予防鍼灸研究会にて発表
木更津杏林堂 金井 正博
背景と目的:パーキンソン病(PD)の患者は中期以降筋力が低下し関節が固くなり、姿勢の変化や運動機能の低下が生じて、すくみ足や wearing-off、ジスキネジアなどで生活に支障をきたすことが多く転倒する危険もある。又、薬を減薬したいと考えている患者さんも多くみられる。過去の本会で、卓球を併用したり1)、ムクナ豆を食用することで歩行や動きが改善2)することを報告した。患者さんはリハビリには興味を持ち色々な方法で身体を動かしていることが多い。そこで今回、気軽に自宅でリハビリをしながら楽しめるピンポン練習機を使って歩行に変化が見られるか検証してみた。又、当院にはムクナ豆を食べている方は多くみられる。豆にはレボドパが多く含まれ体内でドパミンへ代謝され、脳内でドパミンが不足していると歩行や動作緩慢などの運動障害や老人鬱を改善する。初期PD患者でムクナ豆を食用し効果が見られた方の新たな症例を経験したので経過を述べたい。
対象 1(卓球併用例):昨年 8 月~今年 6 月に当院受診のヤール分類Ⅰ~Ⅲの PD 患者 11 名を対象に、既存のピンポン練習機を使い前後に歩行テストを行った。
方法は歩行テストとして 3mTUG 計測後ピンポン練習機を使い30 回球打ちし計測。鍼灸治療後に再度同様に計測した。結果(1):ピンポン実施後 11 例中 8 例に 3mTUG の改善が認められた(平均:前 11.66 秒、後 10.97 秒)。鍼灸治療後では、11 例中 9 例に改善が認められた(平均:前 11.66 秒、後 10.55 秒)。さらに、鍼灸治療後にピンポン実施したところ 11 例中 5例に改善が認められた(平均前 10.55 秒、後 10.33 秒)。
症例1若年性PD女性の患者さん65歳発症12年 PD世界卓球大会に参加し優勝された患者さんがおられ、卓球を毎日練習しているが、練習すると笑顔が続き、動作が良くなり、歩行は杖が要らなくなった。私が大会に参加することが卓球の効果を証明することになると報告された。
対象2(ムクナ併用例);症例:58 歳男性。5 年前、姿勢不安定、前屈位、歩行時腕の動きがなく、歩行の状態や症状から PDを疑う。5 回通院し動きが軽くなり中断していた。発症 4 年前、近くの病院にて診察。前傾姿勢あり。車の乗り降り時左下肢の動きが悪く、引きずるように歩行する。左上肢動作緩慢。便秘あり。L-ドパ恐怖症があり薬を飲んでおらず、確定診断は受けていない。意欲が衰えたようだ。1 年前知人の紹介で症状の改善を願ってムクナ豆の飲用を始めた。
経過:症例 1:鍼灸治療を中断していた 5 年間症状は大きな変化はなかった。1 年前ム
クナ豆の飲用を始める(ティースプーン 1 杯 3 回)。飲用するとふらつきが軽減し、飲用を忘れると症状増悪し不安になる。現在はティースプーン 3 杯 3 回/1日を摂取。症状進行中であるという不安感があり、突進現象が強くなる。鍼灸治療を再開したところ、便通は平常便になり、突進現象も減り、前傾姿勢も少し伸びてきた。しかし、左上下肢の固縮はあり歩行は不安定。
以上、ムクナ豆併用で、1 年たった今も進行が少なく、症状も大きく変化していない。さらに鍼灸を併せたところ症状の改善がみられた。
結果と結論:ピンポン(卓球)は簡便に歩行を改善させる効果がみられたので、鍼灸治療に加え自宅で取り入れてもらうリハビリとしてもよいと考えられる。又、ムクナ豆の摂取がフラツキや不安感に良い結果をもたらした。加えて、鍼灸治療を併用することで突進現象や前傾姿勢の改善に寄与したと考えられた。
略歴:
木更津杏林堂、全日本鍼灸学会参与、日本鍼灸神経科学会幹事、予防鍼灸研究会
旧千葉鍼灸学会と鎌ヶ谷総合病院湯浅先生と PD の鍼灸治療研究を行い、その流れで湯浅
先生と PD に関するいろいろな治療法等を試しており、結果は全日本鍼灸学会に 10 数回症例発表している。
参考文献
井上賢一 (福岡大 医 脳神経内科) 坪井義夫 (福岡大 医 脳神経内科)パーキンソン病患者に対する卓球リハビリテーション療法の有効性および安全性の検討、日本神経学会学術大会プログラム、2021
藤井義晴 (1988),ムクナに含まれるドーパとアレロパシー,化学と生物,26, 621-622
毎日新聞夕刊(2023/5/15)刺激と喜び、卓球をすることでパーキンソン病に勝つ
パーキンソン病の歩行障害対策
・自発的な動きが少なくなる「無動(寡動)」
・筋肉がこわばる「固縮」
・安静時に手足が震える「安静時振戦」
・姿勢を立て直すことが難しくなる「姿勢反射障害」
の4つが挙げられる。これらの症状によって様々な歩行障害が生じる。
パーキンソン病による歩行障害の特徴、対策
すくみ足
一歩が出ない。両足が床に貼り付いたように前に出しにくくなる現象
一歩目が出ない時は「1、2・・・」とリズムをとりながら歩いた
床に横断歩道のようにテープを貼って目印を作る
視線を前に向けるように意識したり、つかまる場所や足を置く場所を示しておく
突進現象
歩いているうちにどんどん加速し、前につんのめってしまう現象、体重がつま先に
歩く時は踵から先に着地するように意識する
歩く前に顔を前に向けて、背筋はなるべく伸ばす
歩行法は前傾姿勢、小刻み歩行も準じる
前傾姿勢
首が下がり脊柱が屈曲する前傾姿勢
小刻み歩行
歩幅が小さくすり足になる
方向転換による転倒
バランスを崩した時の姿勢修正が正常に行えない
着地点を大回りをする
2つ以上のことを同時に行なわない。(後ろから話しかけない、荷物など持たない)
つまずかない、安心して歩きに集中できる環境を作る(足の上がりが少ないため)
手すり等つかまる場所を確保(階段のような高い段差の方が足が上がる場合もある)
方向転換は最小限にする動線を確保
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市原市の加藤様
パーキンソン病鍼灸治療室さんには丁寧に対応していただき、安心して利用できました。お陰様で農業も継続して行っています。
木更津市の鈴木様
知人にも、ぜひパーキンソン病鍼灸治療室さんをお勧めしたいです。今後ともよろしくお願いします。
親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。
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